ウソップ
バンドの話の続きです。
前回ちょっと文量多くて疲れたので今回は短めに書くようにします。
前回のあらすじ
オタクになる
↓
青春を夢見る
↓
軽音部で青春する
↓
崩壊
です。
バンド編成は
ギター:僕
オタク、心が折れてる。
ベース:シンショー
気さくな優等生、バンドリーダー。
唯一の良心。
ドラム:女3
コミュ障、声が小さい。
女1と女2がバンド異動させられたのに1人残されてしまった。
以下ドラミ
ボーカル:メガネ男
行動の全てが異常といっても過言ではない。スマホ2台持ち。
以下メガネ
に、なりました。
バンドが4人になってから初めての練習日を迎えました。
5人編成だったあのバンドが崩壊したのは一瞬だったので、教室で練習したことはありませんでした。
部室棟から楽器や機材を教室まで運ぶ間、僕はシンショーと2人で話していました。ドラミは無言、メガネはスマホを弄ってました。
教室に着き、たいした会話もなく練習が始まり、1年生の最初の課題曲だったブルーハーツのトレイントレインをとりあえず合わせてみることに。
実はギターを買ってから毎日触ってたので初心者なりに一応そこそこの自信はありました。
まあこいつら全員下手だろうしメガネの歌とか1ミリも期待してなかった…
…んですけど。
メガネ、こいつ歌めっっっっちゃ上手い。
マジかよ。
今まで人生で会った誰より上手いよ。
大学4年になった今でもリアルで会った中でこいつより上手いって思えたのはどっかの駅前でCD売りながら歌ってたシンガーソングライターくらいです。それくらい上手い。
で、ドラミも超上手い。
なんなんだよ。
曲が終わったのでとりあえずドラミに声をかけました。
僕「なんか…上手くない?」
ドラミ「一応中学の吹奏楽部でやってたから…」
シンショー「なるほど…」
経験者かよ。
全員初心者だからBeginnerってバンド名にしようぜって話になったやんけ。言えや。
シンショー「メガネも歌上手くてビックリした」
僕「思った」
メガネ「そうかな」
そこでやっとメガネとまともな会話をしました。
(その後しばらく話してて分かったけど、どうも少人数なら声のトーンもボリュームも普通だし割と普通の会話もできるっぽかった。割とね。)
初回の練習が終わりました。
その後は特に変わったことはありませんでした。
次の週もその次の週も順調に練習を重ねていき、僕もシンショーもきっちり家で練習してたんでグングン上手くなりました。
またしばらく時間が経ちました。
次第にバンドメンバー全員が打ち解け始め、めちゃくちゃコミュ障だったドラミが僕たちの目を見て会話できるようになった頃、初めてのライブがありました。
ブルーハーツのトレイントレインとDOESのバクチ・ダンサーの2曲だけしか演奏しなかったんですけど、今でもかなり鮮明に覚えてます。メガネが歌ってるのを見に来た野球部が驚いていて、なんか僕までちょっと嬉しかったです。
つたないライブでしたが、初めてにしては大成功と言えるようなものだったと思います。
同学年や先輩からかなり褒められました。全体的にやる気のない軽音部で演奏レベルが低かった為、スゲースゲーの嵐でした。まあ賞賛の大部分はメガネの歌とドラミのドラムだったのでしょうがそれでも僕はめちゃくちゃ喜んでました。
またしばらくして、次のライブである文化祭に向けて練習に打ち込んでいた頃です。
順調な僕の高校生活に追い風が吹きます。
彼女ができました。
1年生の他のバンドのピンボーカルの子でした。
僕の人生で唯一まともな時期だったと思います。
今となっては面影の欠片もありませんが、あの頃はいろいろなことが上手くいってました。
そして手を繋いだだけで勃起をしていた僕はチェリーボーイからただのボーイになり、文化祭のライブは無事成功を収めました。
僕はもはや全能感に満たされていました。
というか、ちょっと調子に乗り始めました。
天狗です。完全に天狗になってました。
次はその長い鼻が敵キャラにボコボコにされてる時のウソップのようにヘシ折れる話を書きます。