陰と陽
バンドの話です。
今回は初めてのバンド結成編です。
また思い出しながら書いていきます。
一応前回の続きになります。
ここまでのあらすじは、
ギターを勧められる
↓
断る
↓
けいおん!を勧められる
↓
観る
です。
最高ですよね。
大げさに聞こえるかもしれませんが、今までオタクアニメを観たことがなかった僕は、
こんな物が世に存在していたとは……
しかもこういうのがまだたくさんあるって日本ヤバいな………
って感じでした。
オタクになった僕は、まるで腹の膨れることのない怪獣がオリから放たれたかのような勢いでオタク文化を貪っていました。
それこそ朝から晩までスマホとPCでオタク文化を摂取し続けてました。
もともと漫画がすごい好きだったし小さい頃はノートにキャラクターとか描いてたしオタクになるのは時間の問題だったんでしょうね。多分ですけど。
しかし、オタクになったものの中学校の雰囲気のせいでG君と2人きりの時ですらオタクトークをするのが難しかった為、僕はひたすら1人でオタク文化を摂取していました。
残念ですが、3年間竹本君を見てきた僕とG君の心にも気づかぬうちに「マイノリティは悪」という悪しき風潮が染み込んでいたのです。
そんな悲しいボッチオタクの僕が1人でひたすら有名なアニメを観る以外どんな文化に触れていたかというと
Twitterを始めて「#RTした人全員フォローする」みたいなツイートをRTしたり
ニコニコ動画の「歌ってみた」「弾いてみた」に※鳥肌注意※ とかお前ら最高wwwwwとか書き込んだり
日常会話に好きなキャラクターの口グセを混ぜたり
完全にイタいオタクでした。
多分、変に抑え込まれてた分のエネルギーが変な方向に爆発してしまったのでしょう。
中学が悪い。僕のせいじゃない。
黒歴史を撒き散らしつつも時間は過ぎ、春休みも終わりました。
高校入学です。
入る部活はもう決めてありました。
軽音部です。
一応サッカーを小1から中3の9年間続けていたので親には反対されましたが、こればっかりは絶対に譲れません。
なんたって僕は
軽音部で男女混合のバンドを結成して、春休みにしこたま観たアニメのような青春を送るつもりだったのですから。
付属高校を受験したので、中学からの繰り上がりの生徒が多く友達を作るのに少し苦労しましたが、なんとか数人の親しい友人を作り軽音部に入部しました。
実は少しじゃなくて結構苦労したんですけどそれは割愛です(お弁当を食べた後トイレで1人ゲームをした日もありました。辛すぎて死ぬかと思った。)
勧誘期間が始まり、先輩達のライブを観た後、すぐ軽音部に入部しました。
意外にも男女比が女子多めでした。スポーツで有名な学校だったので男子がそっちに流れたんだと思います。
2週間くらいで勧誘期間が終わり、バンド決めの為に部会が開かれました。
「組みたい人とテキトーに組んでください。余ったら相談してね」みたいな部長のやる気のない挨拶の後、すぐにバンド組みタイムが始まりました。
当時流行っていたmixiで友達が女子とのパイプを作ってくれていたのでスンナリ男女混合のバンドを組むことができました。
5人編成です。簡単なスペックは
僕:ギター
オタク。
けいおん!が好き
友達:ベース
気さくな優等生。バンドリーダー。
本人の苗字と名前から1文字ずつ取って
「シンショー」ってふざけて呼んでたんですけど呼ぶと結構マジで怒られるので普段は普通に呼んでました。
これ伏線です。多分いつか回収します。
女1:ボーカル
可愛い。
経験上、軽音部でピンボーカル(楽器を持たず歌うだけ)志望の女の子はたいてい美人かブスのどちらかです。
女2:ギター
普通。目がツリ目で少し怖いですが笑うと愛嬌のある子でした。
シンショーと事前に友達だったのはこの子。
女3:ドラム
ちょっと太ってる。声が小さい。コミュ障。
まあ時間かけて仲良くなるしかないなあと思ってました。
そんな5人でバンドを結成し、僕はめちゃくちゃ舞い上がってました。
女3が可愛ければ完全に青春アニメが始まりそうな状況だし無理もなかったかなとは思います。(まあ始まったら完全にシンショーの親友ポジだと思いますが当時の僕はバカなので気づいていない)
とりあえず結成して挨拶してその日の部会は解散。
連絡先を交換して後日遊びに行くことになりました。
みんなで予定を合わせ、土日にカラオケやファミレス、楽器屋に行きました。
他にも色々遊びました。
男子高校生でオタク、
この状況が楽しくないわけありません。
これから先も楽しみだなあと思っていたところ、僕は風邪をひいてしまいました。
結構重めのやつです。
4日くらい学校を休みました。
授業大丈夫かな〜なんて思いながら久しぶりの登校です。
バンド…無くなってました。
無くなったというよりは、大事なメンバーが2人も消えてました。
女1と女2です。
代わりに、ピンボーカル志望のメガネ男が1人入ってきました。
冷静を装いシンショーにどういうことか尋ねたところ、
勧誘期間も過ぎバンドが出来上がったタイミングでこのメガネ男が突然入部し、担当パートと練習日の都合上僕たちのバンドのメンバー編成を勝手に部長が変えてしまったそうです。
華やかだったバンドから女子1も女子2もいなくなり、残った女子はコミュ障で声が小さい女子3だけでした。
こんなのバンドが無くなったも同然でした。
悪夢は続きます。
メガネ男、完ッッッッッ全にヤバい奴でした。
初めて会った時、
「メガネ男です!!!!!よろしくおねがいします!!!!!!」
ってメチャクチャ大きな声で廊下で50度くらいのお辞儀をかましてきました。廊下の生徒がみんなこっち見てました。
常に声のボリュームが異常でした。行動も挙動不審というか、挙動不審なクセに堂々としてるというか……
とにかく変なヤツでした。
授業中もそんな感じらしく、入学後1ヶ月にして学年中から「ヤバい奴」として認識されてました。
運動部のいいオモチャにされてるみたいで、休み時間1人でスマホをイジってるメガネ男に運動部がちょっかいをかけるのが当たり前の風景になっていたみたいです。
スマホを2台持ちしており、口グセは「3G回線が……」でした。
教室で友達と話している時、
「しラたま…………そいつ……」と背後を指さされ、振り返ると真後ろにメガネ男が無言で立っている事がよくありました。だいたい部活の連絡だったのですが、スマホで済むからスマホにしてくれと頼んでも毎回背後に立ってました。もしかしたら彼なりの冗談だったのかもしれませんが、僕は毎回困惑していました。
僕の思い描いていた青春とは大きくかけ離れたバンド活動がこうして始まりました。
長くなってしまいました。
はじめてのバンド結成編終わります。